小児科医コラム
「からだことば」の意味・・・心理的ストレスとの関係
子どもの心と身体は、日々成長しています。年齢の低いお子さんほど、心理的ストレスの影響が直接身体の症状として出現します。これは、「うれしい」、「かなしい」といった気持ちの変化が、自律神経系や免疫系など身体の色々な働きに影響を与えるからです。外出先で何度もトイレに行く、学校へ行く日の朝になると決まってお腹が痛くなる、人ごみの中にはいるとどきどきして呼吸が速くなる・・・。子どもが不安になったり困ったりしているとき、言葉で上手く説明できない代わりに身体が言葉となって(「からだことば」)、周囲の大人にサインを出してくれます。
日常生活で注目するポイントは、「食欲」「睡眠」「遊び」の三つです。食欲が落ちて体重が増えない・減っている、なかなか寝付けない・途中で何度も目が覚めている・長い時間寝ているのにだるそうだ、以前は好きだったことに興味を示さない・つまらなそうにしているなどがあれば、なにかのサインかもしれません。
こんな時は、かかりつけの小児科医にご相談下さい。心理的ストレスの影響が大きな病気のことをまとめて「心身症」と呼びますが、その中には生活の工夫やお薬が有効なものがたくさんあります。また、ご家族や学校の先生の協力で改善することもあります。成長に伴ってストレスの処理は上手になるので、多くの症状は徐々に改善していきます。小児科医と共に、成長を見守っていただければ幸いです。
岡山大学病院 小児科 岡田あゆみ
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